母が振り込め詐欺の被害に遭いそうになった
その日、孫(を名乗る人物)がちょっとかすれた声で「明日そっちに行くから」と母に電話をかけて来たそうだ。
母は疑うことなく「あ、○○(孫の名前)かい?」とすっかり名前を相手に伝えてしまった。
声がおかしいと尋ねると、「ちょっと喉の具合が悪いけど、これから病院に行って、明日そっちに行く」と言ったそうだ。
もうこれは典型的な詐欺に遭う高齢者パターン。
疑いもせず嬉しくなった母は、私に「明日〇〇が来るんだけど、知ってるかい?」と電話をかけてきた。
ところが偶然にも帰省していた息子が私の目の前にいる。息子からそんな話は聞いていない。
リビングに寝っ転がってスマホをやっている息子に「明日ばーばちゃんちに行くの?」と聞くと、「いんや、いかないよ」。
だよねえ、2、3日は実家にいるっていってここにいるし、明日息子が祖母の家に行くのに、母親の私が知らないはずないし、これ、絶対詐欺でしょ。
母に「今〇〇、私の目の前にいるんだけどさ、電話もしていないし、行く予定もないって」と伝えて、これは「詐欺だ」ということになった。
たまたま息子が実家に帰省してきて、たまたま孫が来ることがうれしかった母が私に電話してきた。たまたまが功をそうして、被害に遭わずに済んだのだけど。危ないよ。これは怖い。
警察に電話した母。詐欺を未然に防ぐことができたことはできたが・・・
母はすぐ警察に電話した。そして翌日警察が家に来て、犯人を捕まえる手はずとなった・・・までは良かったんだけど、
警察が来る直前に再び犯人から電話がかかってきたそうで、その時母は自分で撃退しようとなぜか思ったらしく、
「ところで、ばあばと〇〇の間で決めていた合言葉は?」(そんなものは実際には決めていない(笑))と言ってしまった。
「プツン」と電話が切れて、そのあとやってきた警察が待てど暮らせど孫を語る人物は現れなかったとさ。
というオチだった。
警察の人はそれでも「被害に遭わなくてよかったです。」と言いながら帰っていったそうだ。
母は時々こんな風に張り切る。詐欺?と聞いて張り切るのではなく、もう少し怖がって欲しかったよ。
合言葉のこと(そもそも決めていなかったけど)をこのタイミングで言ったらせっかくの警察との作戦が台無しである。
警察はせっかく来たのに徒労に終わってしまった。
どんなに気をつけていても騙される
どんなに気を付けていても、毎日気を付けていても、私は大丈夫と思っていても騙される。
母も日頃から「気を付けなければ」と言っていたのに、詐欺に遭っていると全く思わず私に知らせてきた。
私に「それは詐欺」と言われるまで、疑いもしていなかった。
どういうことだ。でもこれが「詐欺の手口」だ。