誕生日は、規則正しい生活も塩分も血圧も食事のバランスも節約も全部無視した1日を過ごす。これが楽しい
誕生日は何もしない。食べて、本を読んで、見たかったアニメを見て、ぼーっと外を眺めて過ごす。
料理をしなくてもいいようにと、ごはんは前日炊いて冷凍してあるし、たくさん作って3日目のスパイス満載本格カレーもまだある。
この日に読むための本は前もって買っておく。
誕生日はここのケーキ、と決めていた「あまおう苺のショートケーキ」は前日のうちに買って、「お買い上げ当日中にお召し上がりください」という注意書きは無視して冷蔵庫にしまってある。
大好きだが最近はさすがに胃がもたれるようになってきたので控えめになっている「カルビーのポテトチップスうすしお味」も、今日は胃がもたれてもいいのでちょっと大きめのサイズを買ってある。
カレーとケーキとポテチは夕食のお楽しみにして、お昼ご飯も3日目のカレーにしよう(カレー大好き)と思っていたら、娘が「お誕生日のランチしよう」とキムチ料理のお店に連れて行ってくれた。
70歳前後のおかみさんが一人で切り盛りしているお店。
「今お弁当の注文がたくさん入っちゃって30分位後になっちゃうけど」とのことなので、娘とお喋りしたり、料理を待つカウンター席の常連のお客さんとおかみさんの楽しい会話を聞いたり、切れてしまった天井の電球を忙しいおかみさんの代わりにお客さんが取り替えたり。
おかみさんのペースに合わせてみんながほのぼのと料理を待つ雰囲気を「あったかいなあ」と眺めながら、注文した「豚キムチ炒め定食」を待った。
30分後にやってきた「豚キムチ炒め定食。キムチとスープ付き」はとても美味しく、甘めのキムチが食欲を誘い、山盛りごはんもペロッと平らげてしまった。
夜ごはん用にと持ち帰り用の「豚キムチ炒め」も娘が買ってくれて、夜のディナーはより豪華になった。そして今日から読み始めるつもりで買っておいた本を開き、ポテチとケーキを食べながらお行儀悪く読む。油だけ本に付かないように気を付けることは忘れない。
遠くに住む息子からも「お誕生日おめでとう」のメッセージが届いたので、娘も息子もいい子に育ったなあ、誕生日にそう思えるなんて幸せ、と満足していたら、息子に「もうすぐ還暦かあ」と言われた。
58歳の自覚はあったが「還暦」の自覚がなかったので、飛び込んできた「還暦」という文字を見たら、一気におばあちゃんになった気がした。「還暦」ってこんな気持ちなのかしら。
良い誕生日でした。
