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「マイナポイントを現金で口座に振り込んでくれる」という「うまい話」を信じた81歳の母
９月の話。
「２月に、マイナポイント分の金額を口座に振り込んでくれるっていうから手続きしてきたのに、振り込まれない。」と不満げな母。
その場にいた私、弟、私の娘と息子は一斉に？？？となった。
マイナポイントが現金でもらえることはない。マイナポイントは、登録された預貯金口座には振り込まれない。
マイナポイントは申込の際に選んだ決済サービスにポイントが付与されるしくみ。
同居している弟が、「その話を聞いた時、俺、それ、詐欺じゃないの？って言ったじゃないか。行ってきちゃったんだ～」と言っている。
知っていたのか弟よ。止めてよ。と心の中の私。
マイナポイントが現金で振り込まれる話って、誰から聞いたのかと尋ねると、Mさんだという。
私の幼馴染の母親だ。信用できる人の話だから疑いもしなかったのだろう。
私も、Mさんがそう言うなら「そうかも」と思ってしまう。
母によれば、手続きの会場は市の社会福祉センターで、通帳とマイナンバーカード、nanacoを持って行ったとのこと。
なぜnanaco？とは思ったが、ひとまず
私「それで、先に申し込んでいたMさんには振り込まれているの？」と聞くと、
母「いや、まだだって。手続きに行った知り合いはだれも振り込まれていない」
もう半年も過ぎているのに。と不満そうな母。
手続きをした「控え」もない。あったのかもしれないが「どっかいっちゃったかも」だ。
私達は皆「こりゃ引っかかったな」となった。
娘がその場でネットで調べると、ポイントが振り込まれると言い、口座番号や個人情報を聞いてくる詐欺があるという。
例えば通帳残高から財産状況を把握するとか。
しかも母の別の知人は「できるだけ残高の少ない通帳を持って行った」そうだ。
それって・・・？ちゃんと心配しているのに行っちゃうの？
これは間違いなく詐欺か、と思ったんだけど、さらに「もっと他に思い出して」と聞くと、
「暗証番号は教えていない」
「別の列にはマイナンバー登録をしに来た人がたくさん並んでいた」と言う。
ということはだよ、そこは公の場所なのか。ということは、詐欺ではない。とすると。
母のあやふやな記憶を手掛かりに、実家がある自治体のサイト、県のサイトを調べ、マイナポイントのサイトはもちろん、警察から国民生活センターから口コミから、調べに調べてようやくたどり着いた結論は、
「市のマイナポイント設定支援ブース」（職員が設定を手伝ってくれる）に行き、「公金受け取り口座の登録申し込み」をし、nanacoにポイントが付与される手続きをしてきた」
ということのようだ。だからnanacoを持って行ったんだ。これは詐欺ではなさそう。
ちなみに母は自分で行ったのにもかかわらず、私達に伝えた場所も間違っていたし、nanacoのポイントが付与されたことはわかっていた（「セブンイレブンでしか使えない」と言っているから）のに、自分の口座にマイナポイントが現金として振り込まれる」とも思っていた。
ゆっくり説明したものの、母の理解は「詐欺じゃなかったならOK」だった。これ以上の理解は難しそうだ。
私もいつかこうなっていくのだろうか。困るわぁ。
