健康診断で行うべき必要な検査とは。不要?な検査に疑問

・健康診断は異常なし。なのに「腫瘍マーカーの検査をします」と言われた81歳の母

「腫瘍マーカーの値が高いからCTを取ることになった」と81歳の母が電話してきた。
どこか具合が悪いの?と聞くと、具合が悪い所はないと言う。

「痔」の治療で通う病院の医師に市民健康診断の結果を見せるように言われ、なんの異常もないのに「『腫瘍マーカー』の検査をやっていないですね。やりましょう。」と言われたそうだ。それで検査をしたら、今度は「腫瘍マーカーの値が高いから急いでCTを取りましょう」となったという。

実はこれ、この病院で2回目。しかも前回の腫瘍マーカーとCT検査から1年も経っていない。同じことを1年に2回も。
それにそもそも市民健康診断の検査項目に『腫瘍マーカー』は入っていない。必要のある検査だったら必須で入っているはずでしょう。

私にしてみれば、健康診断の結果は異常がなく、コレステロール値も血圧も血糖値もむしろ私より正常(母は薬を飲んでいるから)、自覚症状もないのに「なぜ腫瘍マーカーの検査?」となる。

腫瘍マーカーの検査は、がんで治療中の人に対して、治療効果の判定の1つとして用いられる。糖尿病や飲酒、喫煙が原因でも高い値になることもあるため、「がん」早期発見の手段としては有効ではないと言われているのに。

2年半前、母はこの病院に「痔」の治療で通い始めた時CT検査を勧められ、以降定期的に検査を受けるようになっている。
毎回異常は見つからず「このまま様子を見ましょう」と言われる。
このままって?様子って?

腑に落ちない。聞けば最新の機器をどんどん購入しているという。もちろん患者様の健康のためなのだろうが、この検査の回数は普通ではない。
CTだって腫瘍マーカーだってたくさんやったら費用もかさむ。年金暮らしの高齢者から検査料をこんなに?具合が悪いなんて言っていないのに?

最新機器=高額=検査数を増やす。不安をあおり検査をたくさん行い、最新機器の支払いに充てているのか?

・早期検査のメリットは否定しない。半面「見つけなくてもいいものまで見つかってしまう」場合だってある

母は前回のCT検査で子宮に影が見つかったのだが、それが子宮筋腫の跡でもうなんともないと言われている、と先生に伝えても「産婦人科に行きなさい」と強く言われ、結局産婦人科に行き検査をし、結局「跡だからなんともない」と同じことを言われたそうだ。
こんな具合だ。

「もう早期発見する年齢でもないからあれこれ検査はしない。人間ドックも不要。最低限の健康診断で十分。病気になったら寿命だと思うから」なんて考えている、ひねりにねじりが加わったようなひねくれた性格な私と違って、母は極々オーソドックスな性格の持ち主だ。お医者様に「数値が高い。検査しましょう」と言われれば当然不安になる。

高齢だけど、足腰が少し弱い以外は至極元気で、よく食べ、よくしゃべり、畑仕事もこなし、旅行に行っても私より元気だ。
そんな母を不安にさせるなんて。元気なのにそうやって病気にさせられていくのではないか。

・結局病院を変えました

検査をするかしないかは母が決めるしかないし、医師でもない私が「検査をするな」とも言えないが、今回私にあれこれ言われた(母が決めるしかないと言いながら結局あれこれ言ってしまった)後、母は近所のかかりつけ医院に行き事情を話した。要はセカンドオピニオンだ。(私の発言をうのみにしない母は正しい)

先生は「検査は大事ではありますけどね」と言いつつ、腫瘍マーカー検査の意味を説明してくれ(つまり今は必要ないということだった)、今後は「痔」の薬の処方も面倒見てくれることになった。(あんまり「痔」だ「痔」だと連発すると母の怒った顔が浮かぶがしょうがない)
しかもその「痔」の薬も症状が治まったのにずっと続けていることを知り、一旦薬を止めてもいいのではと言ったそうだ。

私ならこっちのお医者さんを信用する。