ブログタイトルにある【あーゆーぼーわん】とは?

南アジアの、インド洋に浮かぶ島、スリランカの言葉。シンハラ語で「こんにちは」という意味です。私が最初に覚えたシンハラ語です。

かつて、40年近く前、私がまだ女子?だった頃に約一年間過ごした国の言葉です。ひえぇ。もうこんなにたっていましたか。

今回、娘からブログ作成を課されて(しかも毎日だって。多分、健康観察と安否確認だと思う、、、)、タイトルを決めようと思った時、始めに浮かんできた景色、というか、思い出、それがスリランカでした。

歳をとると昔の事を思い出すというけれど、たぶんそういうことでしょうな。

まあ、そういうわけで、当時の感覚がとても心地よかったことを思い出し、そろそろもう一度そんな毎日を送っていきたいな、と思ってですね、「あーゆーぼーわん」をタイトルにしたのです。

40年程前の話なので、今とはかなり違うと思いますが、当時のスリランカをご紹介します。

・適当で、寛容な人達

スリランカの人って、良くも悪くも「適当」。そしてとても寛容です。日本と同じ1日が24時間なのに、時がゆっくり、素朴に過ぎていく。

スリランカから帰国してからはやることがたくさんあって、ルーティーンがたくさんあって、仕事もあって、周囲の評価も気になって。ずっと心に余裕のない複雑な生活を送っています。

そんな中、最近、なぜかスリランカにいたころの感覚や過ごしていた日々を思い出すようになりました。

おおらかだったなぁ。楽しかったなぁ。私も影響されて、帰国当初は随分おおらかな人間だったらしい(親、友人談)。確かに。今まで忘れていました。

・果てしないおおらかさ

「明日は晴れ、あちこちで雨がふり、曇ることもあるでしょう」

天気予報は毎日こんな感じでした。

みんな傘を持って出かけない。というより傘を持っていない。降ったらやむまで雨宿りすればいいし、雨の中歩いて服が濡れても、暑い国だから雨が上がれば乾くしね。位でしたので、日本のように降水確率や気温を気にして服装や外出を考える必要がなかったのですよ。

「誰も並ばない」

40年前ですから、インターネットはありません。家族や友人には手紙を書きます。切手を買いに郵便局に行くのですが、

「列を作る」という概念がないのです。窓口の前で常時7、8人が押し合いへし合いして、お金を握った腕を係員に向けてニョキニョキ出して、お金を受け取ってもらえた人が切手を購入できる、というシステム。「自分が先!」とか「割り込まないで!」と争う所はみたことがない。「いつかは買えるから」ということ。

学校の売店でジュースを買う時も、店員さんの前に人がわんさかいて、やっぱり小銭を握った腕を店員さんの前に突き出す。受け取ってもらえたらめでたくジュースを手に入れる事ができます。みんな「いつか買えるさ」程度でしたし、買えたからOKなので怒らないのです。

「待ち合わせ時間ののりしろが広い広い」

ホストファミリーが「13時に迎えに行くね」と言ったのに、来たのは15時。謝るわけでもなく、「来たよ(ニコニコ)!」。

「2時間も待っていたんだよ!」と怒ってみたものの、なぜ怒られるのか分からない様子。自分の怒りをどう収めたのかもう記憶にないのだけれど、私もいつからか「まあ、そんなもんだよね」になっていきました。

でもいまは数分の遅れでイライラ、心配、不安な気持ちになる人になってしまった。

時間を守るのは大切。どっちがいいのかねぇ。

「1年経っても建たない家」

ホームステイしていた家の前では、家を建てていました。4、5人でレンガを積み上げていたのだけれど、私が初めて見た時にはレンガは腰の辺りまでの高さ。その後1年経っても1階の半分程の高さにも至らず、完成した家を見ることなく帰国の途に。でも、家主のホストファザーは毎日ニコニコと日当を支払っていました。ホストファミリーも私に「ね~、面白いでしょ。これがスリランカだよ」と言って楽しげ。

・今の自分の生活

仕事して、家事して、遊んで、やるべき事を次々とこなし、デジタル化も進んで、とても便利で進んだ日本で生活しているのに、たくさんのことをアウトプットしてきているのに、「まだ足りない、もっと良くなる」と常に便利と効率と発展を求めている自分。

当時の日本と比べて、停電もしょっちゅうあったし(40年前のお話です)、お湯は出ないし、時間は守らないし、不便な国ではあったけれど、過ごす時間が豊かで長く感じるスリランカ

また時々思い出を文字に残そうと思います。

2022年7月4日 月曜日 -1-