人間はどこまでも傲慢で強欲な生物だから
通勤途中、車で右折したときのこと。右折をしたらバイクが前方からやってきた。バイクは私とすれ違ったが、私の後ろにいた車が右折しようと曲がりかけたとたん、アクセルを吹かしてものすごい音を出し、車を威嚇した。
つまり「邪魔なんだよバカヤロー!」ということだ。
少し前を走っていた私は、爆音がした瞬間、急に大きく心臓が鳴り、心臓が飛び出そうになった。いやほんとに。
突然こんな音やクラクションが大きく鳴ったりすると、これくらい驚いてしまうものだ。寿命が縮む。
「何?私?私が何かしてしまった?」とバックミラーをみたら、私ではなくて、その光景だったわけ。
バイクにとっては自分が道路に出ることができないから迷惑だったのだろう。でも双方スピードも出していないし、バイク側には停止線がある。
右折する車は、一旦停止して対向車の列が途切れるか、止まってくれるのを待っているから元々スピードは出ていない。
怒りの程度は人それぞれだと思うし怒るなとは言わないけど、そこまで怒りを相手にぶつけないと気がすまないのか。朝だから?急いでいたから?
近所に住む人の手前勝手な行動と嫌がらせは日常茶飯事だ。いちいち相手にしていられないから知らんぷりしているが、いつも「なにかされるかも」とドキドキするので家から出るのが嫌になる。
住みにくい。
10年程前、職場の窓口で「バカヤロー!」と何十回も連続で怒鳴られたこともある。今世間で問題になっている理不尽なクレーマーの類。
私は、「なんなんだこの生き物は、ああ恐ろしやだわ」と思いながら、感情を閉ざし、心の中で「バカヤロー」と言われた数を数えていた。
SNSによる誹謗中傷、カスタマーハラスメント、迷惑行為、詐欺。最先端のAIですら、あっという間に悪事に使う輩が湧き出てきた。
人間て、どんなに科学が進歩しても中身は全く進歩しない身勝手な生き物だとつくづく思う。
「寛容」という言葉はもうじき辞書から無くなってしまうかもね。
環境悪化のために絶滅していく動物を救おうと懸命に活動している動物保護団体のスタッフは、取材で「動物の敵は人間」と言っていた。
地球的に見たら人間なんていないほうが地球のためなのかも。
歴史が始まって以降、多くの犠牲を払ってもなお、人間は戦争を繰り返す。大義のために人を殺す。勝利のための殺人は正当化される。
私達は今起きている惨事を、遠くで起きている、まるで歴史の教科書の中の出来事のように感じてしまっている。
どれもこれもどこまでも、傲慢な私達が招いた結果である。しかも壊すだけ壊して回復させられない。無力だ。
私達は環境を破壊し、平和も実現できず、身近な隣人すら大切にできない。