道を開けてもらえないなんて
楽しみにしていたコンサートに行き、列の中程にある自分の席に着こうとして
「すみません」
と手前に座っている人達に声をかけながら進むと、普通は足を少し引いて進路を作ってくれる。ところが自分の席まであと1つ、まで来たところで、その人は足をわざと前に突き出し私をブロックした。つまり
「とおせんぼ」
えっ?と思ったその時、唐突に
「あなた、席何番ですか?」と言われた。
私「15番です。」
その人「そこ、私の友達の席です。チケットをトイレに落としてしまって、今取りにいっています。あなたが持っているそれ、
”あたくしのお友達のチケットよ”。」
いきなり泥棒呼ばわり。
周囲の空気が凍り付くのを感じる。
みんな身動きせずに耳で私に注目している。
私「私が買った私の席です。」
その人「いいえ、あたくしのお友達の席よ。」
まるで私がお友達のチケットをトイレで拾って座ろうとしているという言いぐさ。
こりゃダメだわ、と思ってチケットに私の名前が印字されているのを見せ
「私の席です」とはっきり言うと、
その人「あらぁ、ごめんなさい。オホホ。ここはお友達の席じゃないのね。彼女の席の番号を見ておくべきだったわぁ」と言う。
その人はお友達の席を確認せず、自分と隣同士と勝手に思っていたらしい。
しばらくしてお友達という人がきて、
「チケットが見つかったわ。あなたとは離ればなれの席よ。じゃあね。」
と言って去っていった。
その人は再び私に明るく「ホントにごめんなさいねぇ。」と謝った。
そして何もなかったように反対側の別のお友達と楽しくお話をしている。
謝ったけどさあ、
謝りゃ良いってもんでもないでしょう💢
私は「良かったですね」とだけ言いましたよ
よく辛抱したと思うよ。
精一杯の笑顔でさ。
本当は「すごく気分が悪いんですけど」と言いたかったよ。
思い付く限りの攻撃的な言葉が頭をよぎったぞ。
とにかく演奏が始まる。
集中したい。なのに怒りが収まらない。
早くリセットしないと演奏に集中できない。
楽しみにしていたコンサートだよ。
だめだぁ。曲に集中しようとしても、リセットしたり思い出したりの繰り返し。
怒りに囚われて曲が入ってこない。泣きたくなる。結局そのまま終演。
私偉い❗って思ったのに、怒りに囚われていて台無しな日にしてしまった。
言った人は言ったことってすぐに忘れてしまえる。でも
言われた方はさあ。
言い返さなくて正解だったはず
そんなことをしたら自分も相手も周りの席の人たちもさらに嫌な気分になるだけ。
あとはひたすら自分のメンタルの問題。
ほとんどのことは「言わなくてもいいこと」まだまだ未熟だ。トホホ。
これからこの曲を聞くたび思い出すのかな。
やだな。上書きしたい。もう一度同じプログラムを聞きに行きたいなぁ。
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲 第5番「皇帝」
ベートーヴェン: 交響曲 第7番
5月のある日の思い出。
2022年8月10日 水曜日 -38-