伯母の畑にあった桃の木
「さっちゃんのおばちゃんちの桃」
というのがありました。
桃ですが硬いの。
カリカリ、シャリシャリと音がする。
でもでもとても甘い。
伯母の畑に1本だけあった桃の木でした。
贅沢なことに、実家や親戚が農業をやっているおかげで、りんご、ぶどう、桃、梨は毎年たくさん味わうことができています。
そんな中で私や子供達の大好物がこの
「さっちゃんのおばちゃんちの桃」でした。
夏、お盆が終わる頃になると
「取りにおいで〜」
と伯母から声がかかりました。
子供達を連れて伯母の畑に出かけ、子供達ははしごを使って桃を収穫させてもらっていました。
木になっている桃を見ること、直接収穫できることが何より贅沢だねぇ。
何日経っても硬いままの桃
冷蔵庫に入れておけば1週間たってもカリカリ、シャリシャリとした触感、もちろん甘い。
子供達は小さな頃からこの桃ばかり食べていたので
(なぜなら私がこの桃以外の桃は買わないから&お店で買うのは高いから買わないから)
この桃がデフォルトということで育ってしまった。
そのため柔らかい桃は皮をむくそばから溶けていくようで、食べ応えがないということに我が家ではなってしまっていて。
もう食べることができない
毎年食べたくなるのだけれど、伯母達が歳をとったこともあり、管理が大変で数年前に木を切ってしまったため、
もう食べることができなくなりました。
「硬い桃、硬い桃」と子供達が私の母にねだるので(なぜなら私は買わないから)、
母は孫のために一生懸命探して似たような桃を買ってくれるのだけれど、
「さっちゃんのおばちゃんちの桃」と同じ桃にはお目にかかれない。
調べてみると、硬い品種の桃も実は色々とあるみたい。
でも母と伯母に品種を聞いても「さあねえ」と反応がなかった。
そこのところにあまり関心はないのね(笑)
人に話したり食べてもらうと、
「え、まだ熟れてないよね。」といわれます。クスン。
完熟の柔らかい桃が首都圏ではメジャーなのだ。
それで「ワッサー」
最近これなら近い味、と食べるようになったのが、
「ワッサー」
という桃とネクタリンの掛け合わせで生まれた品種。
硬くてカリカリしていてとてもおいしい。
硬い桃にはお目にかかれないけれど、このワッサーは実家の地域で栽培をしている農家が多く、
スーパーや道の駅でもたくさん出会える。
今では実家に帰った時にたくさん食べるのを楽しみにしている。
あ、”「私の母」が買ってくれるワッサーを楽しみにしている”だ。
でも、
我が家では
「さっちゃんのおばちゃんちの桃」
が今でも一番。
2022年8月18日 木曜日 -46-